第19回:「不下」「不了」「不起」のキモチ
・不下(去):いっぱいいっぱいでそれより先に進めない。
・不了:量が多すぎて消化しきれない。
・不起:高価すぎてワタシには無理!
この「不」三兄弟、うまく使い分けると微妙なキモチを表わすのに便利。
今回は「不」三兄弟でいろいろな「無理です!」を伝えてみましょう!
例えば「食べる」という意味の「chi1」を三兄弟の前につけてみると、こんな
風に意味が変わってきます。
・長男:我已経chi不下(去)了。
⇒すでにおいしい料理をおなかいっぱい食べたんでしょうね^^あぁ~もうこ
れ以上食べられないよ!
※「下去」という風に「去」が付く場合もあります。
・次男:我chi不了那me多。
⇒さぁ食べよう!という時、いざテーブルに並んだ料理は到底食べきれない
ような量。それを見て、えぇー!こんなに?!食べきれないよー!
・三男:我chi不起。
⇒んんん、フカヒレか何かでしょうか…とにかく高価なものですね。あそこの
お店、さすが有名なだけあってホントおいしかったわよぉ~!あなたも行って
みたら^^なんて言われても、ボクの財布はそっぽ向いて相談の余地無し。
そんな時、いやぁボクにはむり…涙
三男はとにかく、効果すぎで自分の経済力では無理な時。高価な食べ物な
ら「chi不起」。高価な物なら「買不起」。高級マンションには「住不起」なんて
も、あまり聞かないけどたぶん通じるはず。
※
相手の能力を認めない、見下す、という意味の「看不起」
ごめんなさい、という意味の「対不起」
は三男的な使い方とは違ったものなので例外。三男的な使い方をするのは
「住不起」のように無理やり使っちゃえ!というもの以外は、あまり多くありま
せん。典型的なのはやはり「買不起」くらいでしょうか。なんてったってお金の
問題ですから。
さて、区別が微妙な長男と次男ですが、これはこんな風に区別できます。
長男:すでに○○し始めていて、途中で「もうこれ以上○○できない」
次男:これからスタート!という時に与えられた条件では「とうてい○○しきれ
ない」
↓以下は例です。不三兄弟の前に、いろいろな動詞を付けて、試してみてく
ださい。※注:動詞は一文字の動詞に限ります!
★写:xie3:書く
写不下去:例えば、小説家か誰かでしょうか、途中まで書いたらぷっつりとア
イデアが途切れてしまって、それ以上先へ進めないキモチ。
写不了:たとえば、はーい皆さんよく聞いてー今回の論文は中国語で1万字、
1週間で提出ねー。ええええ、そんなに書けるわけないでしょという
キモチ。
★看:kan4:見る
看不下去:たとえば、かなしーぃ映画のシーン、もう涙が止まらない、観てい
られないわ…というキモチ
★去:qu4:行く
去不了:たとえば、中国に留学しているこの1年間で、中国の全部の省を周っ
てみたいんだ!そんなん無理でしょ、毎日学校があるんだし、ねー!