働く人の6割以上「今いるところで年越し」
「お金があってなくても、故郷に戻って年を過ごす」。これが中国人の伝統的な風習だ。2021年の春節(旧正月、今年は2月12日)がまもなく訪れるが、新型コロナウイルス感染症の対策状況を受けて、北京市、天津市、上海市、河北省、河南省、広東省など20以上の直轄市や省が「現在の居住地で年越し」をと呼びかけている。中国新聞網が伝えた。
中国の人材派遣会社の前程無憂が25日に発表した「2021年新春休暇の移動の有無状況調査報告」によると、調査に回答した人のうち66.7%が、「現在の居住地で年越し」すると答えた。
21年の春運(春節期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)は28日にスタートして、40日間続く。中国国家鉄路集団の現時点での予測では、中国鉄道網の春運旅客輸送量は例年のこの時期より60%減の延べ2億9600万人になるという。同報告によれば「現在の居住地で年越し」は66.7%に上り、このうち勤務地が戸籍のある地域ではないという労働者が半数以上を占めた。また16.8%が、「やはり帰省したい」または「帰省を検討中」と答えた。
「春節連休に勤務するか」との質問に対し、62.8%が「春節は休みたい」とし、「勤務する」とした37.8%の多くはインターネット・EC、サービス業、生産・加工製造業で働く人たちだった。
「現在の居住地で年越し」の呼びかけを企業も支持している。同報告によれば、回答者の25.6%が働く企業が、「現在の居住地で年越し」する従業員に対し休日出勤すれば手当を支給するという。また多くの企業が春節のギフトや消費券を配り、家賃を補助したり春節連休終了後の帰省に対して有給休暇を付与したりするところもある。
同報告は、「手厚い待遇で従業員の『現在の居住地で年越し』を奨励する企業は、生産・加工・製造業、都市サービス業のところが多く、奨励の対象は第一線で働く従業員が中心だ。このことは、こうした業界で毎年みられる春節連休前後の人手不足の問題と関係がある」との見方を示した。
「人民網日本語版」