ネット有名人
今年初め、 中国のインターネットユーザーは前年比1700万人増の1,11億人となった。 広東省深センでは、今年元旦から、その急速な普及によるインターネットの秩序の乱れなどを取り締まるべく、WEBサイトや掲示板などの監査を行うネットポリスが始動されたほど膨大な数に上ったということである。
このように、急速に普及しているインターネットを利用して、一夜で有名になるチャンスがある。例えば、ネット歌手や電子小説作家、ネット映画監督などを生み出している。ネットから歌手として有名になることが当然化してきている。これも、中国ならではの幅広く膨大な数のユーザーの支持の賜物であろう。因みに、代表ネット歌手では「回来我的愛」を歌う陽一や、「一万個の理由」を歌う鄭源といったところが有名どころ。
ネット映画は主にフラッシュ映画を指すが、そのネット映画作品の著作権をめぐって一争いあった。それを少し紹介したい。批判最悪のチェン・カイコー監督の映画「無極」(プロミス)を改編、新たに「一个馒头引发的血案」(一つのマントーが誘発した殺人事件) という爆笑作品に仕上げた胡戈。その作品内での毒舌な批判と面白さは、瞬く間に多くのネットユーザーの支持を得る。面子丸つぶれのチェン・カイコーは 、黙っちゃいられんとばかりに、胡戈を著作権侵害で起訴すると言い出す。しかし、今度は大衆が黙っていない、 ネット上で討論の嵐である。その中、ほとんどのユーザーが胡戈を支持する声が多く。このまま起訴しても勝てるかもしれないが、その後の映画ファンの信頼を考えたチェン・カイコーは起訴を諦めた。 元はといえば、チェン・カイコーが投資額と宣伝のわりに、全然面白くない作品を作り、映画ファンの期待を裏切ったのが原因だが。これこそまさに、ネットユーザーの力が発揮されたいい例だろう。逆に言えば、著作権侵害と訴えられない仕方ないケースであったと思う。この事件を通じ、胡戈は更に有名になった。
また、自分の可笑しな写真を掲載しつづけ有名になった清華大学の「芙蓉姉姉」、人体芸術として自分の裸体をネット上に晒しだした「湯加麗」など、自身独特な才能をアピールできる場となったのがインターネットである。そういう 自由に自分を表現している人たちを見ていると本当に面白い。中国13億人、これからインターネットがもっと普及してくれば、もっともっと個性的なキャラクターがネット上に現れてくる。ネット上でも楽しみいっぱいの中国の生活が本当に楽しい。