【中国語に恋!】107号:過去の経験を強調する助詞”過”
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■ 過去の経験を強調する助詞”过”
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「私は上海に2回行ったことがある。」
「秘書はあのダンスしている人を見たことがある。」
「東方は漢語水平考試(HSK)を受けたことがある。」
これらの文に共通するのは、「~したことがある」という“過去の
経験”について言っているということ。
この意味を表す中国語は、助詞”过”。
助詞”过”は動詞または形容詞の後ろについて、「~したことがあ
る」という過去の経験を表す。
例:我去过两次上海。
訳:私は二回上海へ行ったことがある。
動詞に補語が付く場合、”过”は補語の後ろに置く。
例:秘书看见过那个跳舞的。
訳:秘書はあのダンサーを見たことがある。
過去の経験というのはつまり「既に完成している動作」なので、”
过”の後ろには語気助詞”了”を付けてもよい。
例:东方考过汉语水平考试了。
訳:東方はHSKの試験を受けたことがある。
否定形は”没(有)・・・过”。
例:我没(有)来过上海。
訳:私は上海へ行ったことがありません(多くの読者の声)。
反復疑問文で疑問を尋ねるときには、”没有”を文末に配置する。
ここでの”有”は省略してはならない。
例:你来过上海没有?
━━▼ 問題━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
正しい語順の中国語はどれだ?
A.我们学校的老师去过大阪好几次了。
B.我们学校的老师去过好几次大阪了。
C.我们学校的老师去好几次过大阪了。
D.我们学校的老师去好几次大阪过了。
大阪 dà bǎn (固有名詞) 大阪
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ちゃんと考えてから↓の解答を見るんだ。
わからなくても没问题。最初はみんな初心者だ。
俺ももちろんわからなかった。
━━▼ 解答━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
答:B.我们学校的老师去过好几次大阪了。
━━▼ 解説━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まず、文章にある「好几次」。
「好」が回数を表す言葉の前につくと、
数が多いことを表すんだ。
そして「几次」というのは、「几」があるから疑問文?と思って
しまうかも知れないが、肯定文の中にこの文字があるときは、
「数回」という意味になるんだ。
訳:私たちの学校の先生は何回も大阪へ行ったことがある。
C.とD.は、いずれも”过”の位置が間違っている。さっきも解
説したように、”过”は必ず動詞または形容詞の後ろにつくんだ。
ここでは動詞は「去」だから、「去过」となっていない選択肢は×。
A.と迷ったかな?これは解説していないからナ。
「大阪」と「好几次」はどちらも目的語。目的語が二つあった場合、
語順がどうなるか。これを意識することは、上級者へ近づく第一歩だ。
「大阪」は普通の名詞、「好几次」は回数を表す
というわけで、B.が正解だ。